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3.食中毒
(1)はじめに
細菌性食中毒は、厳密には区別出来ないこともあるが、A)毒素摂取型(非侵襲型)とB)感染型(侵襲型)に分けられる。
「毒素摂取型」は、毒素を産生する細菌が食物の中で増殖しその毒素を摂取することによって引き起こされるもので、黄色
ブドウ球菌、ボツリヌス菌による食中毒が代表的である。このタイプの食中毒は、発症までの時間が数時間と早いのが特徴
である。一方、「感染型」というのは、食物や飲料水とともに摂取された細菌が腸管内で増殖し、細菌自身あるいは細菌由
来のサイトトキシン(細胞毒素)が腸管細胞に傷害を与え、全身的な症状が出るものを言う。細菌の増殖に一定時間が必要
なため、このタイプの食中毒は潜伏期間が長く、発症までに12時間〜数日かかることがある。病原性大腸菌・サルモネラ
菌・カンピロバクター等が代表的な細菌である。O−157は病原性大腸菌の一種で、腸管出血性大腸菌に属し、ベロ毒素
を産生し、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすことがあり、第3類感染症に指定されている。
A)B)の混合型として、腸炎ビブリオ等による食中毒がある。腸炎ビブリオは好塩ビブリオともいい、塩分に強く海の魚を
介して感染する。
(2)個別発症食中毒と集団食中毒
食中毒は汚染された食物・飲料水を介して発症するものであり、同じものを食べた人は発症する可能性があり、単独発症
はむしろ希である。しかし病院内に於いては、外部から持ち込んだ食物等よる個別発症と院内給食による集団食中毒は、区
別して考える必要がある。いずれの場合も原因と考えられる食物等は検査が済むまで保存しておく。
(3)厨房における予防対策
@ 調理室の出入り口で履き物を交換し、予防衣、帽子、マスクを着用する。
A 調理作業前は、手洗い、ジェットタオル、速乾性擦過式手指消毒薬を使用する。
B 生鮮食品は、当日分のみ納入する。
C 野菜はアクア酸液等で消毒し、流水で洗浄する。
D 包丁・まな板は、使用後殺菌庫に納める。
E 食器・調理器具は、乾燥機で70度・1時間殺菌する。
F 定期的に水質検査を実施する。
G 手に化膿傷等のある人や下痢している人は、調理を避ける。
(4)感染予防対策(標準予防策、接触感染予防策)
@ 腸管出血性大腸菌感染(O−157等)は、保菌者を含め全員、保健所に届け出し、個室隔離する。
A ガウンテクニックを行う。
B 処置及び清拭・おむつ交換等は、ディスポの手袋を着用する。
C 食中毒は経口感染であるため、手洗い・うがいの励行。
D 患者の接触したものはアルコールで消毒する。
E 患者の吐物・便等の排泄物は感染性廃棄物として処理する。
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