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4.結 核
(1)結核について
戦前日本人の国民病であった「結核」も、1994年(昭和19年)ワクスマンによるストレプトマイシン(SM)の発見、
1950年代の後半には、3剤併用(ストレプトマイシンSM・ヒドラジドINH・パスPAS等)による化学療法が確立し、
結核の死亡率は減少した。また昭和26年結核予防法が制定され、結核検診(ツベルクリン反応〜BCG接種)が確立し、
発生数も低下した。1966年(昭和41年)リファンピシン(RFP)が合成され、結核の治療に使用される様になり、死亡
率は更に減少して行き、「結核」と言う病気は克服されるのではないかと期待された。
しかし1980年代まで順調に減少してきた発生数・死亡率も、1990年代には足踏み状態となり、ついに1999年(平成11年)
には、新規登録患者数が前年の登録数を上回った。集団感染、院内感染の報告も増加し、旧厚生省から「結核非常事態宣言」
が出された。ここ数年やや減少傾向になったが、結核は今なお我が国では重要な感染症である。
平成14年度の統計では、全結核の新規登録患者数は、32,828人でその内感染源となり得る排菌のある人は11,933人と報
告されている。1944年から2001年までの8年間で259件の集団感染があり、うち69件が院内感染であったと報告されて
いる。
この様な状況になった原因として、次のようなことが考えられる。
@ 結核に対する免疫能の低下した高齢者が増加し、再感染、再発病(既感染発病)の増加。
A 結核に未感染の若年者(ツベルクリン反応陰性者)の増加。
B 多剤耐性結核菌の出現。
(2)結核予防法の改定
昭和26年に施行された結核予防法が、50年ぶりに改定され、平成17年4月より施行された。
その骨子は、ツベルクリン反応の廃止と直接BCG接種である。生後6ヶ月までにBCG接種を1回だけ施行し、
それ以後は行わないということである。
(3)感染経路
結核はヒトからヒトへ感染する代表的な感染症である。主な感染経路は空気感染である。結核患者からの咳・くしゃみに
よる飛沫感染も起こりうる。
感染源は、喀痰の塗沫検査で陽性の(排菌のある)肺結核・喉頭結核・気管支結核患者である。
(4)感染の発症
次のような状態の人は結核を発症しやすい。
@ 最近、感染を受けた人
A 糖尿病の人
B 胃切除をした人
C 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)を服用している人
D 悪性腫瘍のある人
E 人工透析を受けている人
結核は肺結核だけでなく、喉頭結核・腸結核・腎結核・脊椎カリエス・リンパ腺結核等色々な肺外結核がある。
(5)感染予防策 (標準予防策、飛沫感染予防策、空気感染予防策)
@ 結核患者の発生を見た場合には、診断後直ちに保健所に届け出て、結核療養施設へ転院させる。
A 手洗い、うがい等標準予防策のの励行。
B マスクの着用−−結核患者さんから咳やくしゃみによって放出される結核菌はエアゾールの状態であり、比較的粒子が
大きいため、普通の外科用マスクで十分であるが、飛沫核となって空中を浮遊している結核菌の吸入
を防止するためには、N−95の様な高性能のマスクを装着する必要がある。
C リネン類は感染用の対応をして洗濯に出す。
D 患者さんのいた部屋は換気を十分行い、一般の清掃をする。
E 同室の患者さんに対しては、説明を十分し、2ヶ月後、及び8〜14ヶ月後に胸部X線検査、ツ反応をおこなう。
F 濃厚に接触した職員に対しては、2ヶ月後、8ヶ月後、18ヶ月後に胸部X線検査を行う。また2ヶ月後、18ヶ月後
にツ反応を実施する。感染の疑いのある者については治療を行う。
G 喉頭結核以外の肺外結核、排菌の無い結核患者については、BEFは必要ない。
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